緑内障手術

緑内障とは

緑内障は眼圧の上昇などが原因で視神経が障害され、見えない場所や見える範囲が狭くなる病気です。
緑内障にはいくつか種類があり、自覚症状がないため気づいたときには症状がかなり進行している慢性緑内障と急激に眼圧が上昇して、目の痛み、頭痛や吐き気などの症状に突然襲われる急性緑内障に大きくわけられます。

緑内障の見え方

初期
初期目の中心をややはずれたところに暗点(見えない点)ができます。自分自身で異常に気づくことはありません。
中期
中期暗点が拡大し、視野の欠損(見えない範囲)が広がりはじめます。この段階でも片方の目によって補われるため、異常に気づかないことがあります。
末期
末期視野(見える範囲)はさらに狭くなり、視力も悪くなるため日常生活に支障をきたすようになります。さらに放置すると失明に至ります。
日常私達は両目を使って見ているので、片方の目に見えない部分があった場合にはもう一方の目でカバーするため視野の異常に気づかないことがほとんどです。異常に気づいた時にはかなり進行していることも少なくありません。
視神経が障害されてしまう緑内障は、今のところ発症以前の状態にまで治す方法はありません。
点眼にしても手術にしても、病気の進行を止めることが第一の目的でるため、早期に発見し、早いうちから治療を開始して病気の進行を遅らせることがとても重要になります。

緑内障手術

緑内障手術は眼圧を下げることを目的とした手術になります
点眼薬で眼圧の上昇を抑える効果も期待できますが、薬を使っても緑内障の進行を抑えられない場合は、手術が必要となる場合があります。
手術方法は緑内障の種類、進行の度合いなどそれぞれの眼の状態を総合的に判断して決定します。
①線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
房水(眼球の中の水)を眼球の外に漏らす濾過手術です。
緑内障がかなり進行していて、眼圧をできるだけ低くする必要がある場合や他の手術法では眼圧があまり下がらない場合に行います。
手術直後から場合によっては数ヶ月、視力低下を起こすことがあります。また、長期間にわたって眼球の感染症の危険性が残ります。
 
線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
②線維柱帯切開術(トラベクトーム)
房水の通り道にあるフィルターの目詰まりを治す手術です。
眼圧下降効果は線維柱帯切除術に比べれば低いものの安全性が高いので、初期の緑内障や中等度の緑内障で術後視機能低下をできるだけ避けたい場合に行います。
術後1週間程度は血液の逆流のために見えづらくなります。
 
線維柱帯切開術(トラベクトーム)
③隅角癒着解離術
房水の通り道が虹彩(茶目)で塞がっている場合にこれを再開通させる手術です。
癒着している虹彩を剥がします。
閉塞隅角緑内障で、隅角が癒着している場合におこなわれる手術です。多くの場合、隅角を広げる目的で水晶体再建術(白内障手術)も併せておこないます。
 
隅角癒着解離術

チューブシャント手術

緑内障における従来の手術では、強膜に流出路をつくることで房水を排出する『濾過手術』や、線維柱帯という網目状の組織を切開することで流出路を確保する『線維柱帯切開術』などがおこなわれてきました。
いずれもシュレム管に代わる房水の排出口を作るための手術であり、低下した眼圧が維持された例がある一方で、時間の経過とともに穴が塞がり、気づかないうちに眼圧が元に戻っていたという例も少なくありません。
そこで考えられたのが、インプラントにより房水の経路を維持しようとする『チューブシャント手術』です。
チューブシャント手術では、シリコン製の「バルベルト」と、ステンレス製の「エクスプレス」というインプラントのいずれかが用いられます。
バルベルト
バルベルトは、複数回の濾過手術を行っても眼圧が下がらない方や濾過手術を受けられない方などの難症例・重症例に行うための手術方法と考えられています。
チューブシャント手術は、房水を抜く専用のインプラントを埋め込むことで房水の新たな排出路をつくる手術です。
プレートの付いた形状の細長いチューブの「バルベルト」を角膜の後ろにある前房に挿入して固定します。
房水は前房を通じてシュレム管より排出されるため、バルベルトがシュレム管の代わりとなって、房水の排出をサポートし眼圧を下げてくれます。

チューブを前房に入れる直線チューブタイプと毛様体扁平部挿入タイプがあります。
 

専用のインプラントを使用することで、複数回の手術によっても眼圧が下がらない人にとっては治療の幅が広がりました。
エクスプレス
エクスプレスは、従来の濾過手術(トラベクレクトミー)に加え、2011年に厚生労働省の認可が下りたインプラントを用いた濾過手術です。従来のトラベクレクトミーに比べて合併症が少ないのが特徴ですが、適応がやや限られます。
手術は、ステンレス製の短いチューブを結膜の下に差し込み、結膜と眼内をつなぐという手術になります。従来の濾過手術をインプラントに置き換えたと言える手術で、比較的簡便な手術であります。
 

「エクスプレス」という小さいステンレス製の管を用い眼内と結膜の下とをつなげるようにトンネルを作って流す方法です。
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